ファームの書き込み
このページでは、RxJa のファーム本体を無線機に書き込む手順を説明します。道具はブラウザで動く RxJa Tools を使います(インストール不要)。
RxJa Tools は、Armel F4HWN さんの UV Studio を RxJa 用に改めたもので、画面は日本語です。ファームの一覧に RxJa があり、ファームを書き込んだあと日本語データも続けて自動で書き込みます。RxJa のファイルはサイトに入っているので、Releases からダウンロードする必要もありません。
注意
ファームの書き込みは自己責任です。書き込み中にケーブルを抜く・電池が切れるなどすると、無線機が起動しなくなることがあります(多くの場合は DFU モードで書き直せば直ります)。 この手順(一覧から RxJa を選んで書き込み、続けて日本語データを自動で書き込む)は、作者の UV-K1 で確かめています。
手順の全体
- 電池を充電しておく
- 校正データをバックアップする(通常モード)
- 無線機を DFU モードにする(RxJa Tools の画面では「書き込みモード」)
- RxJa Tools の「ファーム書き込み」で RxJa を選んで書き込む
- 続けて日本語データが自動で書き込まれるのを待つ(PTT から手を離す)
- 書き込めたかを確かめる
使えるブラウザは、パソコン版の Chrome・Edge・Opera(または Firefox 151 以降)です。Safari やスマートフォンでは使えません(Web Serial という機能が必要なため)。
1. 校正データのバックアップ(最初に必ず)
校正データは、工場で 1 台ずつ調整された値(受信感度、S メーター、電池電圧などの補正)で、無線機の中の 512 バイトの領域に入っています。ファームを書き換えても通常は消えませんが、万一消えたり壊れたりすると元に戻す方法がありません。書き込みの前に、必ずパソコンに保存しておいてください。
- 無線機の電源を入れて、ふつうに起動させる(PTT は押さない。DFU モードではありません)。
- USB-C ケーブルでパソコンとつなぐ。
- ブラウザで RxJa Tools の「校正データ保存」 を開く(左のメニューの「校正データ保存」)。
- 校正データを読み出す を押す → シリアルポートを選ぶ画面が出るので、無線機のポートを選んで「接続」。
読み出し完了 👍🏼と出たら calibration.dat をダウンロード を押して保存する。
保存した calibration.dat は、機体ごとに別の名前(例:calibration_K1_シリアル番号.dat)をつけて、なくさない場所に保管してください。
警告
ほかの無線機の校正データを書き戻してはいけません。受信感度や電池表示がおかしくなります。校正データは「その 1 台専用」です。
いま入っているファームが純正の場合は?
純正ファームのままでも、校正データの読み出しは使えます(ふつうに起動した状態で接続)。うまくいかない場合でも、先に RxJa を書き込んでから、書き込み直後にバックアップをとってもかまいません。ファームの書き込みでは、校正データの領域は書き換えられません。
「タイムアウト: 本体が見つかりません」と出たときは
校正データの読み出しは、ふつうに起動した状態でつなぎます。DFU モード(書き込みモード)のままでは読み出せません。電源を入れ直して、PTT を押さずに起動してからやり直してください。
2. DFU モードにする
DFU モード(ファーム書き込みモード)は、無線機の中の「ブートローダー」が動いている状態で、ここでファームを受け取ります。RxJa Tools の画面では「書き込みモード」と呼んでいます(同じものです)。
- 無線機の電源を切る。
- PTT を押したまま、電源を入れる。
- PTT を離す。
- USB-C ケーブルでパソコンとつなぐ。
UV-K1 では、上の LED が点灯し、画面は真っ暗のままになります。これで DFU モードです(画面が消えているので「壊れた?」と思いがちですが、正常です)。
ヒント
DFU モードから抜けたいときは、電源を切って入れ直すだけで通常起動に戻ります。
3. RxJa Tools で書き込む
- RxJa Tools の「ファーム書き込み」 を開く(左のメニューの「ファーム書き込み」)。
- ファームウェアを選ぶ の一覧から、RxJa(受信専用・日本語) のグループにある版を選ぶ(例:
v1.2.0 · 106 KB)。- 同じ一覧にある F4HWN(Fusion など)は送信できる元の F4HWN、Quansheng (stock) は純正ファームです。これらは元に戻すとき用なので、RxJa を入れるときは選ばないでください(→ 純正ファームに戻す)。
ファームを読み込みました: f4hwn.rxja.bin(107460 バイト)のように表示されることを確かめる。- ファームを書き込む を押す → シリアルポートを選ぶ画面で、無線機のポートを選ぶ。
- ブートローダーとの接続(
ハンドシェイク完了、ブートローダ: 7.00.07など)、書き込みの進み具合が表示されます。 ファームの書き込みが完了しました 👍🏼と出たら、ファームの書き込みは完了です。無線機は自動で再起動します。
重要
書き込み中は、ケーブルを抜いたり、ブラウザのタブを閉じたり、無線機の電源を切ったりしないでください。
RxJa Tools(本家 UV Studio も同じ)には、ブートローダーの版が 7.00.07 より古い機体(旧型 UV-K5 など、RxJa の対象外の機種)には書き込まない安全装置があります。ここで止められた場合、その機体には RxJa を使えません。
シリアルポートの選び方
ポート選択の画面に出る名前は OS やブラウザで違います。
- Windows:
USB シリアル デバイス (COM3)のような名前 - Mac:
cu.usbmodem… - Linux:
ttyACM0など
どれかわからないときは、ケーブルを抜いた状態で一覧を見て、差したあとに増えたものを選びます。何も出ないときは トラブルシューティング を見てください。
4. 続けて日本語データを書き込む(自動)
一覧から RxJa を選んで書き込んだ場合は、ファームの書き込みが終わると「続けて日本語データを書き込みます(v1.2.0)」という枠が出て、そのまま日本語データ(ja_res.bin)の書き込みに進みます。
本体の再起動を待っています… PTT からは手を離してください。と出ます。PTT を押さずに待ってください。RxJa Tools が、再起動した無線機を自動で探します。- 最初の起動では、画面に
Init Mainと出ることがあります(下の「初回起動」を参照)。終わるまで電源を切らずに待ってください。
- 最初の起動では、画面に
- 見つかると書き込みが始まり、進み具合が表示されます(1〜2 分ほどかかる見込みです)。書き込んだあと読み戻して照合します。
ファームと日本語データの書き込みが完了しました 👍🏼と出たら完了です。本体が英語表示のままなら、電源を入れ直してください。
うまく進まないとき:
| 表示・状況 | すること |
|---|---|
本体が RxJa で起動するのを待っています。… と出て進まない |
本体の電源を一度切り、PTT を押さずに入れ直してください。それでも見つからないときは ポートを選び直す を押して、無線機のポートを選びます |
本体が見つかりませんでした。… と出た(約 90 秒で時間切れ) |
本体をふつうに起動してから、日本語データの転送 の手順で「日本語データ」の画面から書き込んでください |
| いまは日本語データを書きたくない | 日本語データは後で書く を押すと取りやめます。あとで 日本語データの転送 の手順で書き込めます |
日本語データを書くまでは、RxJa は英語表示で動きます(壊れたわけではありません)。
補足
日本語データを自動で書き込むのは、一覧から RxJa を選んだときだけです。「またはパソコン内のファイルを使う」で自分でビルドした
.binなどを選んだ場合は、ファームだけを書き込みます。日本語データは 日本語データの転送 の手順で別に書き込んでください。
5. 初回起動
書き込み後の最初の起動では、次のことが起きます。
- 画面に
Init Mainと表示されることがあります。これは、マルチブート 用に「いま書き込んだファーム」を無線機の外部フラッシュにバックアップしているところです。終わるまで電源を切らないでください。 - 前のファームが純正や別の版だった場合、設定が合わずに表示がおかしいことがあります。そのときは メニュー一覧 の「初期化(Reset)」で
ALLを行ってください(チャンネルも消えます)。 - 日本語データの自動書き込みを取りやめた場合は、起動画面やメニューは英語のままです。日本語データの転送 で書き込めば日本語になります。
6. 書き込めたかの確認
Mを押してメニューを開き、「表示」カテゴリの「本体情報」(日本語データが入っていないときはSysInf)でMを押す。UVK1-RxJaとv1.2.0が 2 行で出て、その下に小さくF4HWN v6.1.0 BASEと出ていれば RxJa です(→ メニュー一覧#本体情報sysinfのページ)。- カテゴリの画面で数字の
34と押すと、「本体情報」に直接飛べます。
- 1 で RxJa と確かめられたあとで、PTT を押してみる(RxJa と出なかったときは押さないでください。前のファームのままだと電波が出ます)。「送信禁止」(日本語データが入っていないときは
TX DISABLE)と出て、ビープが 2 回鳴れば、受信専用として動いています。
別のファームから RxJa に替える場合
| 今のファーム | 注意すること |
|---|---|
| 純正(Quansheng) | 純正と F4HWN では設定の使い方が一部ちがうため、表示や動きがおかしければ「初期化 → ALL」をしてください。チャンネルを残したい場合は、書き込む前に CHIRP の純正用ドライバーで読み出して保存しておき、RxJa を書き込んだあと F4HWN 用ドライバーで読み出した画面へ、チャンネルをコピー&貼り付けして書き戻します(→ CHIRP) |
| F4HWN Fusion v6.1.0 | 設定の並びは同じなので、チャンネルも設定もそのまま引き継がれます。ただし送信用の設定(出力など)はメニューから見えなくなるだけで、値は残っています |
| F4HWN の古い版(v5.x など) | 念のため CHIRP でバックアップをとってから書き込み、表示がおかしければ「初期化」してください |
RxJa を新しい版に更新する
RxJa Tools の「ファーム書き込み」 で、一覧から新しい版を選んで、このページの手順 2〜4 をもう一度行うだけです。ファームと日本語データは組で作られていて、RxJa Tools は選んだ版の組をそのまま両方書き込みます。
ファームだけ更新して日本語データが古いままだと、新しく増えた文字が英語のまま表示されます。データの形式そのものが変わった版では、日本語表示がすべて英語に戻ります(形式の合わないデータは、安全のために使わないようにしているため)。自動書き込みを取りやめた場合や、パソコン内のファイルでファームを書いた場合はこうなるので、日本語データの転送 で新しい版の日本語データを書き込んでください。
本家 UV Studio で書き込みたい場合
本家の UV Studio でも、ファームの書き込み自体はできます。ただし画面は英語で、一覧(Official F4HWN firmware)に RxJa は無く、日本語データも書き込めません。Releases から f4hwn.rxja.bin をダウンロードして Flash Firmware の or load a local file で選び、日本語データは 日本語データの転送 の upload.py で送ることになります。ふつうは RxJa Tools をおすすめします。
関連ページ
- 日本語データの転送 — 日本語データを後から書く・書き直す
- UV-Studio — ライブビューアなど、ほかの機能
- マルチブート — ファームスロット
- 純正ファームに戻す
- トラブルシューティング