はじめに
このページでは、RxJa を使い始める前に知っておいてほしいこと(対応機種、必要なもの、全体の流れ、できること・できないこと)をまとめます。
対応機種
RxJa は、マイコンが PY32F071 の機種で使えます。ファームは 1 種類だけで、下の ○ の機種すべてに同じファイルを書き込みます。
| 機種 | 対応 | 備考 |
|---|---|---|
| Quansheng UV-K1 | ○ | 主な対象。矢印キーの向きなどの既定値は UV-K1 に合わせています |
| Quansheng UV-K1 L | ○ | UV-K1 に大きい電池(2500 mAh)が付いたもの。本体は同じ |
| Quansheng UV-K1(8) / UV-K1(8) L | ○ | 前面が金属パネルで、電源つまみと PTT の形が違うもの。中身は UV-K1 と同じです |
| Quansheng UV-K5 V3 | ○ | UV-K1 と同じマイコンの UV-K5。電池の下に「V3」の表示があります |
| Quansheng UV-K5(8) V3(中国名 UV-K6 V3) | ○ | UV-K5 V3 の外観違い。Quansheng の純正ファームも UV-K5 V3 と共通です |
| UV-K1 の透明ケース版、UV-K1s(オレンジ)など | △ | 外観だけの違いとされていますが、F4HWN でも動作の報告が見つかっていません |
| UV-K5 / K5(8) / K6 / 5R Plus の V1(マイコン DP32G030) | × | 書き込まないでください。 別のファームが必要です |
| UV-K5 / K5(8) の V2(マイコン PY32F030) | × | 書き込まないでください。 V3 とは別の世代です |
- UV-K5 V3 と UV-K5(8) V3 は矢印キーが上下に並んでいるので、書き込んだあと隠しメニューの「矢印操作(SetNav)」を
上下 UV-K5(8)にしてください(→ メニュー一覧#隠しメニュー保守)。 - 電池は「電池種類(BatTyp)」で K1 用・K5 用を選びます。
- UV-K1(8) の中に 8 MB のフラッシュがある、という説明を見かけることがありますが、裏付けは見つかりませんでした。UV-K1(8) も、ほかの機種と同じ 2 MB として扱います(→ 本体の仕様)。
本体の仕様(受信できる周波数、画面、電池など)は 本体の仕様 にまとめています。
自分の機種を見分ける
UV-K5 系は、外から見ても V1・V2・V3 の区別がつきにくいので、次の順で確かめてください。
- 電池の下のラベル:UV-K5 / K5(8) で「V3」の表示がなければ、V1 か V2 です。ただし、V2 の機体に偽の「V3」ラベルを貼って売っていた例が報告されています。ラベルだけで決めないでください。
- 純正ファームの版:純正ファームのメニュー「VER」で 7.xx.xx なら V3 か UV-K1 です(V1 は 2.xx / 3.xx / 4.xx、V2 は 1.xx)。
- ブートローダーの版:ファームの書き込み の手順で RxJa Tools の「ファーム書き込み」を使うと、書き込みを始める前のログに「ブートローダ: 7.00.07」のようにブートローダーの版が表示されます。7.00.07 以上なら PY32F071 の機種です。RxJa Tools は、これより古いブートローダーの機体には書き込みません(本家 UV Studio から受け継いだしくみです)。これがいちばん確かな確認で、しかも書き込む前の安全装置になっています。
USB-C の端子があっても V3 とは限りません(V1 の UV-K5(8) にも USB-C があります)。
用意するもの
| もの | 用途 | 注意 |
|---|---|---|
| 無線機(UV-K1 系 / UV-K5 V3 系。上の「対応機種」を参照) | — | 電池を充電しておく。書き込み中に電池が切れると危険です |
| データ通信できる USB-C ケーブル | パソコンとの接続 | 充電専用ケーブルでは認識しません。つながらないときはまずケーブルを疑ってください |
| パソコン | 書き込み・日本語データの転送 | Windows / Mac / Linux のどれでも可 |
| ブラウザ(パソコン版の Chrome / Edge / Opera、または Firefox 151 以降) | RxJa Tools でファームと日本語データを書き込む | Web Serial に対応したブラウザが必要。Safari とスマホは不可 |
RxJa のファイル(ファーム本体と日本語データ)は、RxJa Tools に同梱されています。RxJa Tools を使うなら、ファイルをダウンロードする必要はありません。Python や upload.py も、ふつうは要りません。
RxJa Tools について
RxJa Tools(正式名 UVK1-RxJa Tools)は、ブラウザで動く書き込みツールです(インストール不要)。Armel F4HWN さんの UV Studio を RxJa 用に作り変えたもので、画面は日本語です。
- 「ファーム書き込み」の一覧から RxJa を選ぶと、ファームを書き込んだあと、続けて日本語データも自動で書き込みます。
- 校正データの保存・復元、ライブビューア(画面ミラー)、ロゴの書き込みなど、UV Studio の機能もほぼそのまま使えます(→ UV-Studio)。
- 本家の UV Studio でも書き込めますが、画面が英語で、一覧に RxJa が無く、日本語データの自動書き込みもありません。RxJa には RxJa Tools をおすすめします。
- RxJa Tools は本家 UV Studio とは別物です。不具合は本家ではなく、RxJa のリポジトリ へお知らせください。
ファイルを自分でダウンロードして書き込みたいとき(別の方法)
RxJa Tools の一覧を使わずに書き込みたいときは、Releases の最新版(いまは rxja-v1.2.0)から、次のファイルをダウンロードします。
| ファイル | 中身 | 送り先 |
|---|---|---|
f4hwn.rxja.bin |
ファーム本体(約 105 KB) | 無線機のマイコン(RxJa Tools の「またはパソコン内のファイルを使う」や、本家 UV Studio で書き込む) |
ja_res.bin |
日本語フォントと訳(約 138 KB) | 無線機の SPI フラッシュ(RxJa Tools の「日本語データ」の画面で「ファイルを選ぶ」、または upload.py で転送) |
SHA256SUMS |
上の 2 つのチェックサム | 確認用(任意) |
チェックサムの確かめ方(任意・ファイルをダウンロードした人向け)
ダウンロードしたファイルが壊れていないかを確かめたいときは、3 つのファイルを同じフォルダーに置いて、次のコマンドを実行します。
- Windows(PowerShell):
Get-FileHash f4hwn.rxja.bin, ja_res.bin -Algorithm SHA256(表示された値をSHA256SUMSの中身と見比べる) - Mac:
shasum -a 256 -c SHA256SUMS - Linux:
sha256sum -c SHA256SUMS
OK と出れば問題ありません。
全体の流れ
どの作業も RxJa Tools で行います。
① 校正データを保存する(RxJa Tools「校正データ保存」・通常モード)
↓
② ファームを書き込む(RxJa Tools「ファーム書き込み」・DFU モード)… 一覧から RxJa を選ぶ
↓ 続けて自動で
③ 日本語データが書き込まれる(PTT から手を離して待つ)
↓
④ 必要なら RxJa Tools の「メモリーチャンネル」か CHIRP でチャンネルを書き込む
- 「通常モード」は、PTT を押さずに電源を入れて、ふつうに起動した状態です。「DFU モード」は、PTT を押しながら電源を入れた状態です(RxJa Tools の画面では「書き込みモード」と書いてあります)。
- ①〜③は ファームの書き込み、④は メモリーチャンネル と CHIRP で説明します。
- ③は②のあとに自動で始まります。本体が再起動するまで、PTT からは手を離して待ってください。日本語データの書き込みには 1〜2 分ほどかかる見込みです。
- ③を「日本語データは後で書く」で取りやめたときや、うまくいかなかったとき、書き直したいときは、日本語データの転送 を見てください(RxJa Tools の「日本語データ」の画面で書き込めます)。
- ③をしないと、ファームは動きますが表示は英語のままです(元の F4HWN と同じ英語表示になります)。壊れたわけではありません。書き込みが終わっても英語表示のままなら、本体の電源を入れ直してください。
- 日本語データは一度書けば残ります。ファームを書き直しても、日本語データは消えません。
補足
RxJa Tools での書き込み(日本語データの自動書き込みを含む)と、RxJa の日本語の表示・受信は、作者の UV-K1 で確かめています。それでも、書き込みは自己責任でお願いします。
RxJa でできること
元の F4HWN Fusion v6.1.0 の受信機能は、ほぼそのまま使えます。
- 18MHz〜1300MHz の広い範囲の受信(FM / AM / USB)※端のほうは感度が落ちます。実際に聞ける範囲は機体によります
- 2 波同時待ち受け(デュアルワッチ)、A・B と優先チャンネル 2 つを順に見張る全波受信(v1.2.0 から) → メニュー一覧#受信方式rxmode
- メモリーチャンネル 1024 個、名前付き(日本語も可。全角 5 文字・半角 10 文字まで。v1.1.0 から)
- スキャンリスト 24 本+全チャンネル+選んだリストだけの混合(v1.2.0 から)、優先チャンネル 2 つ、範囲スキャン、除外 → スキャン
- バンドスコープ(スペクトラム) → スペクトラム
- FM ラジオ(76〜108MHz、48 局メモリー) → FMラジオ
- 受信ログ(いつ・どの周波数を・どのくらいの強さで受信したか) → 受信ログ
- トーンスキャン(CTCSS / DCS の検索)、周波数キャッチャー
- 懐中電灯、キーロック、バックライトの細かい設定、画面反転、コントラスト
- マルチブート(複数のファームを入れて起動時に選ぶ) → マルチブート
- パソコンからの画面ミラー・リモート操作(RxJa Tools の「ライブビューア」) → UV-Studio
できないこと
| 機能 | 理由 |
|---|---|
| 送信(PTT、VOX、1750Hz、DTMF 送出、ロジャー音、ビーコンなど) | 受信専用だから。→ 受信専用のしくみ |
| 送信に関係するメニュー(送信出力、送信トーン、オフセット、送信タイムアウトなど 24 項目) | 隠してあります |
| NOAA 気象放送、音声ガイド、ゲーム、追加アプリ(オーバーレイ) | ビルドから外しました(容量を日本語表示に回すため、または送信を伴うため) |
| 「すべての画面」の日本語化 | メニュー、メッセージ、よく見る画面を日本語化しています。周波数・数値・単位・略語(FM、VFO、CTCSS など)は、見やすさのためにわざと英語のままにしています。スペクトラム画面など、文字が小さい画面は英語のままです |
表記について
この説明書では、次のように書きます。
| 表記 | 意味 |
|---|---|
| M | MENU キー |
| EXIT | EXIT キー |
| F | F キー(ファンクションキー) |
| UP / DOWN | 上下キー(UV-K1 では左右に並んでいます) |
| SIDE1 / SIDE2 | 側面の 2 つのキー(PTT の下) |
| F+5 | F を押して離し、続けて 5 を押す |
| 5 長押し | 5 を押したままにする |
| メニュー名 | 「ステップ(Step)」のように、日本語名と英語名を並べます。英語名は元の F4HWN と同じなので、F4HWN の情報を探すときに使えます |